アリエクで買った名も無きBluetoothトランスミッターが届いたのでレビューのようなものを書いてみます。
こういうとき名前が無いとちょっと困りますよねぇ…現物を知らない方からすれば『どれの話なの?』となってしまうわけですから。
メーカーなのか商品なのか分かりませんが「VIKEFON」という名前が何かしらの手がかりにはなるかもしれません。一応アリエク内で『やけに売られているやつ』です。検索しても多少はヒットします。
名前でふと思い出しましたのですが「君の名は。」を観ました。
最近の映画だと思ってたんですが公開5年前なんですね。
<関連URL>・君の名は。(wikipedia)
世の中と時差がある人間なのは自覚していましたがここまでの差とは思わなくてびっくり。2年くらい前のやつだと思ってたのに。
…と、どうでもよい話をしたところでトランスミッターの内容に入ります。最初にネタバレをしてしまうと『使えないことはない』という感じです。とはいえ、不都合な部分もあります。
・Bluetoothトランスミッターとは何か
本題に入る前に簡単にBluetoothトランスミッターについて触れておきます。ご存知の方はスキップされてください。
Bluetoothトランスミッターとは、Bluetoothが搭載されていない機材の音声をワイヤレスで飛ばすことができる機械です。
今となってはスマホのBTにワイヤレスイヤホンを接続して音楽を聴くのが当たり前になりましたが、例えばBluetoothトランスミッターにテレビの音声を繋げばそこからワイヤレスイヤホンで接続出来るようになるということですね。
この時に問題となるのが遅延です。普通に音を聴く場合と比べて「別の機械から音を飛ばす→拾う」というワンクッションが入るのでどうしても音が遅れて届くことになります。
この音の遅れを専門用語で「レイテンシー」というのですが…まぁ、それは次の次くらいの項目でやりましょう。
・中身はこんな感じ
…というわけで本題です。
とりあえずはパッケージの中身から見て行きましょう。ずらーっと写真を貼りますので眺めていってください。
…と、まぁこんな感じです。
接続はAUXか光デジタルケーブルの2種類が選べます。トランスミッター(TX)だけでなくレシーバー(RX)としても使えます。電源はマイクロUSB供給になっており、内部にバッテリーが入っているので繋ぎっぱなしでなくても単体動作が可能です。
ケーブル関係が全て入っているのはありがたいですね。光デジタルケーブルを1本買うだけでもamazonだと500円くらいしますし。
マニュアルも日本語訳が付いていました。とはいえ、これについては完全に自動翻訳程度なので期待し過ぎは厳禁のやつですけれども。
・とりあえず使ってみる
では早速使ってみましょう。
本体の電源を入れてTX(トランスミッター)モードにして普段使っているBTイヤホンをペアリングさせると…
あっさり繋がりました。
ちなみに音源はTASCAMのオーディオインターフェイスから出力しています。光デジタルって使うようで使わないんですよね。ここが空いているので『何か勿体ないなぁ』と思っていたことも購入の理由です。
…で、繋がったので実際の「遅延」がどの程度なのかの確認です。
個人的な感覚でしかありませんが、これは『不都合は無い程度』といえる範囲かと思います。オーディオインターフェイスに直で繋いでいるモニターヘッドホンと比べると0.3秒くらい音が遅れています。
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実際に「君の名は。」を見ながら確認しましたが特に違和感はありませんでした。よほど繊細な感覚が無い限り問題無いのではと思います。
まぁ音の速さは秒速340mしかありませんからね。仮に遅延0.3秒だとしたら約100m、大型の野外音楽フェスだとスピーカーから100mくらい離れることがあったりしますがステージの光景と違和感はありません。
・本体を調べてみる
とりあえず一安心したので中身をもう少し調べてみます。
まず、本体の情報(スペック)を改めてみていくと以下のようになっているらしいです。
・Bluetoothの規格は5.0・CSR8675チップセット・Apt-X LLコーデック対応・Apt-X HDコーデック対応
うーん…規格くらいしか分からない…。
というわけで調べてみたのですが、どうやらレイテンシーは本体に使われているコーデックの種類の違いで長くなったり短くなったりするみたいです。そして、今現在(2021年12月)においては「Apt-X LL」という規格が最も遅延が無いコーデックとのこと。
そうなると『今はどのコーデックを使って接続しているか』ということを確認しなければいけないわけですが…。
このトランスミッターはアナログで教えてくれるタイプなので本体を見れば一目瞭然です。この表示を信じるとすれば「Apt-X」で繋がっていることになります。
こうなると『Apt-X LLに繋ぐためにはどうしたらいいのか』ということになりますので更に調べてみますと、どうやらイヤホンの方もApt-X LLコーデックが入ってないとダメとのこと。
まぁ…言われてみれば確かにそうですね。受信する方も機能が無ければ難しいでしょう。
ではでは、使っている中華イヤホン側のスペックを見てみますと…。
うーん…どうやらApt-Xには対応しているようですがApt-X LLには未対応のようですね。この辺も中華製品のネガティブ要素が出るところです。書いてあるスペックがそのまま信用出来きません。
…とはいえ、ここは確認したいところなので更にテストを重ねます。
かなーり前に購入した中華ヘッドホンを押し入れからガサゴソと引っ張り出します。古い製品なので多分Apt-Xにすら対応していないでしょう。これを繋いでみると…。
…おぉ、点灯が「SBC」に切り替わりました。「SBC」で調べてみると、これは遅延ありまくりコーデックの代表のようなものらしいです。
しつこく「君の名は。」を再生して実際に確認しますと、体感としてApt-Xの倍くらいまで遅れている状態でした。どうやら本当に「Apt-X」で繋がっていたようですね。
ちなみに「SBC」では映画を見るのは無理でした。ここまで遅延が入ると流石に無視の出来ないレベルでの違和感になります。最低でも「Apt-X」でないと動画を見るのはきびしいようです。
こうなってくるとApt-X LL対応のイヤホンが欲しくなりますが、調べてみると結構なお値段がするみたいですね。
・価格ドットコム内のApt-X LL対応のイヤホン検索結果
といいますか、市場において完全独立型のApt-X LLワイヤレスイヤホンの選択肢がほとんどありません。「左右のイヤホンにまで音を飛ばす作業」を含めると作るのが難しくなるということなのでしょうか。
そんな中で、有名メーカーさんが作る「ほぼ唯一」と言って良い完全独立型のApt-X LL対応ワイヤレスイヤホンがこちらです。
たーかーいーぞー。このトランスミッターのほぼ10倍のお値段です。
どうしたものですかねコレは。アリエク内であれこれ探してもやっぱりお安くは買えないようですし。というか、見つけたとしても流石に再生側のApt-X LLデバイスに関しては信用のあるところを選びたいところで。
国内メーカーさんの中で最も安く、評価が高いのはこちらのようです。
まさかのエレコム。大丈夫なんでしょうか、いや中華製品よりは信用できるでしょうけれども。
うーん…Apt-X LLに関してはとりあえず考えないことにしましょうかね。Apt-X LL対応イヤホンを買ったところでデバイスが上手くいくのか分かりませんし。
このトランスミッターは手動で設定できないようです。これが次に書いている問題に繋がります。
・問題もあるあるです
未確認要素も入りますが、現状以下の問題が存在しています。
①複数のヘッドホン・イヤホンで使えないっぽい②手動でコーデックの切り替えができないっぽい
①については実際にやってみて繋がりませんでした。商品写真だと2個繋げることが出来るっぽい感じなんですけどね…。
まぁ、そうは言っても複数の再生デバイスを繋げることなんて(個人的に)しませんので全く問題にはなりません。というか大抵の方がそうではないでしょうか。
②については『Apt-X LL対応のイヤホンを買ったときにどうなるんだろう?』という話ですね。
イヤホン側にコーデックを切り替える機能はありませんので、トランスミッター側でなんとかしなければいけません。自動的に切り替わってくれるなら何の問題もないわけですが、もしそうでないとしたらその点においては買っても無駄になってしまいます。
きちんと調べてから買わないとダメですね…。
・総評というかまとめというか
個人的には『なんやかんや使えたのでいいんじゃない?』という感じはしています。とりあえず困ることも無いですし。
…とはいえ、上で書いている問題も当然に出てきそうなものですのでオススメが出来るかどうかは困るところでもあります。
結局のところ、手動でコーデックの切り替えが出来るトランスミッターを買った方が良いことは間違いありません。こだわる方であれば100%そちらを買うべきですし、こだわりが無い方でも高確率で『そっちにしておけばよかった』となってしまうのではないかと。
手動で切り替えが出来るトランスミッターはこの辺りですね。
お値段としては中華製品の倍になりますが、「国内メーカー」+「コーデック手動切り替え可能」を考慮すれば高すぎるということは無いはずです。
まぁ…BTトランスミッターに関しては中華製品ではなく国内メーカーを選んだ方が正解だと思います。
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