作業として複雑なものではありませんが、準備だったり事前に理解しておく知識で精度や疲労が変わってきます。必ず前回までの内容を踏まえた上で作業を進めてください。
ここまで来たら単純作業の連続なので難しいことは要求されません。注意事項を守りながら地道に進めていきましょう。
①フローリング板を並べる方向を確認する
フローリング板の側面には凸凹が付いているため進行方向が存在します。ちなみにこの凸凹の部分は専門用語で「サネ」と呼ばれます。
フローリング板を並べる方向をきちんと確認しましょう。原則的にはドアが付いてる壁面に対して平行に並べるのがセオリーですが、それでも「ドアから壁に向かうのか」と「壁からドアに向かうのか」は施工者側の自由意志で決めなければいけません。
②フローリング板を仮に並べてみる
ある意味で最も重要な作業がこれです。購入したフローリング板を床に並べてから『壁とどれくらい隙間が出来るのか』ということを確認してください。この段階では板をカットする必要はありません。
「フローリング板を並べて壁にぴったり収まる」ということはまずありえません。ほぼ間違いなく壁との隙間が発生することになります。
原則的にこういった隙間は埋めなければいけないので最後の1枚は板をカットして対応することになりますが、上写真のように隙間がほとんど無くなってしまう場合は後々面倒なことになったりします。
また、この作業を行うことで『壁がきちんと平行になっているかどうか』を確認することができます。
どんなに丁寧に施工されていたとしても100%平行な居室というのはありえません。2mm3mm程度は必ずズレが発生しているはずです。
この程度であれば無視してかまいませんが(※修正しようとするとほとんど場合で逆効果になります)、もし1cm近いズレが出来るようだと施工上の美しさを求める場合は問題になります。
ごく一般的な居室であればまず問題はないのでスルーしても大丈夫だったりする部分ですが、念のために確認をしておくと後々困ることがありません。
③幅木を取り外すかどうか決める
フローリング板を重ね張りする場合はほとんどの場合で既に幅木が取り付けられているはずです。きれいな床を作りたい場合はこの幅木を取り外してください。機能的にも幅木は取り外した方がgoodです。既存の幅木にフローリング板を当てる場合は荷重をかけたとき(踏んだとき)に幅木とフローリング板が接触してギシギシと音がすることがあります。
既存の幅木はそのまま再利用が可能でもあります。新しいものを購入しない場合は丁寧に取り外すようにしましょう。
とはいえ、幅木は安いものであれば100円/m程度で販売されていますので無理に再利用する必要もありません。
④ 板を貼っていく
ここまでくれば後は板を貼っていくだけの作業です。木工用ボンドを全面に塗ってから当て木で押し込みます。当て木は余ったフローリング板があると思いますのでそれを利用してください。
壁とフローリング板との間には2mm~3mm程度の隙間が必要です、接触させるとフローリングを踏んだ時に音がする場合があります。これは幅木を付けていても取り外していても変わりません。
フローリング板をカットするタイミングはそれぞれです。最初に一括して切断しても良いですし、板を張り付ける毎に必要な長さを測って切り出しても良いです。
ミスをしたくないのであれば後者ですね。時間はかかりますが、このやり方だと無駄なカットが発生しません。
当て木を使って押し込んだらネイルを打っていきます。
サネの付け根部分に対して45度の角度で打ち込みます。
素人作業なので厳密に45度である必要はありませんが、なるべく守った方が作業全体がスムーズになります。角度が深い分には特に問題ありませんが、浅い場合だとサネの部分が割れてしまったりします。
打ち込みの間隔は15cm~20cm程度で行って下さい。
手間がかかるので大変かもしれませんが、ここで手を抜くと板が浮いてしまう可能性があります。こうなると踏んだときにギシギシ音が出るので極めてよろしくありません。
⑤ ビニルシートを広げて重しを載せる
板を打ち込んだらビニルシートを広げてその上に重しを載せて養生しましょう。ビニルシートを使った方が良いですが、それが無い場合は紙を敷いてもOKです。
とはいえ新聞紙を使うのは絶対に厳禁です。新聞紙だとインクの色が移ってしまう場合があります。新聞紙を敷くくらいであれば何も使わない方が良いです。
⑥ 幅木を取り付ける(※取り外した場合)
フローリング板の打ち付けが終わったら幅木を取り付けましょう。幅木の取り付けは木工用ボンドOKです。
・作業時間はどれくらいかかるのか
個人の体力や施工する時期にもよりますが、一人で作業をする場合は「最大でも1日当たり5㎡程度」だと想定しておいた方が良いと思われます。個人的には3㎡程度が目安ではないかと感じます。実際のところボンドの硬化を待たなければいけない部分があるので慌てて施工したところであまりメリットがありません。
効率を考えるなら「ボンドが固まりきる前に一気にやってしまうか」「ボンドの硬化を待ちながらちまちまとやっていくか」のどちらかとなります。
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