とはいえ、イレギュラーとして例のアレを塗ることでメンテナンス…というか表面を『本革っぽく』することが可能になる場合があります(※絶対ではありません)。
例のアレとはラナパー先生です。
ラナパーはおそらく日本で最も有名なレザーメンテナンス材ですので所有されているご家庭も多いことでしょう。とはいえ、これが有効になる場合はそれほど多くなかったりもしますが。
・ラナパーは万能ではない
他の一般的なメンテナンスオイルと違ってラナパーはほぼワセリンで構成されています。そのようなわけで、表面がコーティングされている革に塗ってしまうと表面がベタベタになります。この場合表面のコーティング膜がワセリンの浸透を防いでしまうので拭い取らない限り半永久的に変わりません。結構な致命傷です。
靴であれば…まぁ問題無いかもしれませんが、財布という直に触れるものがべたつくのはどう考えてもよろしくありません。
そんなラナパーさんは床革のメンテナンスに対しては絶大な効果を発揮します。床革はそもそも表面に保護膜がないのでどうあっても「べた付きの発生」が起こりません。
しっとり感を与えて表面の微妙な毛羽立ちをおさえることができますし、これにより色写りも相当に軽減することが可能になります。
…とはいえ、既に書いた通り表面に保護膜がないので効果はごく短時間しか持ちません。ラナパーは量がとても多いのでコスト的な面では問題ないのかもしれませんが手間であることに変わりはありません。
個人的に試した限りでは床革に対してラナパーを超えるメンテナンスができるものはありませんので選択の余地がなかったりします。
まぁ色々と面倒なことは確かなので床革は選ばないのが合理的ですね…。