お高いものではない(※クロームの中ではバッグというよりアクセサリーに近い)のであまり期待されると困りますが、普段自転車に乗られている方は購入を検討する価値があるアイテムになっていると思います。
・サコッシュ、滑るっしゅ
結論(？)から書いてしまいますと、こちらのバッグは『サコッシュだと滑って使いにくい』という場合において「それなりに」有効です。
数年前にサコッシュが一世風靡したこともあり『小さいバッグが欲しい＝じゃあサコッシュ買えば？』という流れが強くなっています。値段が高くないことも相まって最早主流といっても差し支えない気配です。
…とはいえ、サコッシュは何もかも万能というわけではありません。
一般的に販売されているサコッシュは『表面が滑りやすい』ということがネックとなります。自転車(というかロードバイク)のような基本前傾姿勢なアクティビティだと背中に置いても大抵の場合で前に滑り落ちてしまいます。めんどう！
これについては一般的に販売されているがアウトドアユースを前提にしているためです。リュックやザックと併用する場合は「簡単に位置をずらして中身を取り出す」ということが出来ないと不便ですのでこういう仕様になっています。
しかしながら、自転車だとこれが完全に逆に作用してしまいます。簡単に位置がずれてしまうバッグはストレスでしかありません。
本格的な自転車用サコッシュであれば大丈夫だったりもしますが、あれは基本的に「大容量で重いもの」を入れているからです。普段からそんなものを持ち歩くことはありえませんので、結局のところ『サコッシュは自転車だと難しい』という結論になります。
・やはりウエストバッグは強い
ヒップスリングの最も良いところは「ウエストバッグ(ウエストポーチ)にもなる」という点です。結局のところ小さいバッグで安定性を取るならウエストバッグになります…たぶん。
滑り止め加工がされてるサコッシュもあるにはあるのですが、だからといって完全固定はされません。常に同じ姿勢でペダルを踏むとか無理ですし。前傾姿勢にもなれば立ち漕ぎにもなります。そうなれば当然ずれてきます。
そんなわけでウエストバッグとしても使えるというのはサイクルユースにおいてかなりの強みです。
見た目もかっこよいですからね(※これについては好みですが)。抵抗がある場合であっても短距離はショルダー、長距離はウエストといった感じで使い分ければ問題は無いのではないでしょうか。
・ディティールはいかに
特に目立つようなディティールは無いのですが念のため。
まず、ストラップとバックルはブランドアイコンとなっているメッセンジャーバッグに使われている物ではありません。あれよりもコンパクトになっています。
ストラップはかなり長めになっていますので、一般的な体型の方であればかなり余ることになると思います。
これについてはストラップを固定するアクセサリーを使った方がいいですね。
切る…というやり方もありますが、これは最終手段でしょう。
バッグの内部に間仕切りのようなものはありません。背面(？)にスリット式のポケットがあるだけです。
これについては好みが分かれそうな気はしますが、スリットポケットの役割はかなり重要です。こんな感じで本体部分に対してポケットが間にあると、それだけで「汗染み」への心配が軽減します。
汗って本当に馬鹿に出来ないんですよねぇ…。きちんと防水加工されているものでないと汗は染みますし、染みれば当然中身が濡れます。デジタル機器があれば壊れてしまうかもしれません。
クロームは基本生地がゴツイのでそれだけでも防水になっていますが、こうして＋αがあるとより安心感に繋がるというものでしょう。何も入れなくても存在だけで価値となります。
・容量には注意が必要です
機能的には良い感じのヒップスリングですが、容量には注意が必要となります。
写真で見る印象よりもかなり物が入りません。実物を見ても結構大きい感じなのですが、いざ物を入れようとすると想定より収まりません。
例を上げるとすれば、長財布を入れることを想定している場合は基本的にアウトだと思われます。入らないことも無いのですが、いい感じに収まりまることが難しいので気持ちが良くありません。
amazonのレビューなんかを見ると、この辺りが気に入らないユーザーさんがチラホラいるような感じがします。
クロームはアメリカの会社ですし、アメリカ人男性は基本長財布使いませんからそこに文句を付ける道理は無いと思うんですけどね…。日本人の長財布信仰はよく分かりません、
まぁ長財布についてはとにかくとしても容量は限定されます。個人的には『これくらいあれば十分だろう』という感じなのですが、アレコレと持ち歩くことを想定する場合はやめた方が吉です。
・総評 ☆☆★
基本的にはいい感じなのですが…なんでしょうね、実際のところ『この内容であれば別にHIP SLINGじゃなくてもいいかなぁ』というのも事実だったりします。
同ブランドであればHELIX HANDLEBAR BAGとかの方が多分良いです。見た目もスタイリッシュですし、かたちが箱型で使いやすくなっていますし、ハンドルバーに取り付けることも出来ます。
お値段としても定価ベースであればほとんど変わりません。HIP SLINGは6600円でHELIX HANDLEBAR BAGは￥7150です。
そんなわけで「ベスト」とはならないと思います。
・サコッシュはこれで滑らない(おまけ)
サコッシュ…に限ったことでもありませんが、生地に＜このようなもの＞を貼り付ければ摩擦力を大きく向上することができます。
両面テープタイプのものはあっさり剥がれるのでダメですね…。結局のところアイロンで熱接着しないと使いものになりません。
表面が加工されている生地だと接着できない可能性があるのでその点については注意です。
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