はい、こちらは噂のPROTONEですね。
PROTONEは"プロトーネ"と読みます。サイクルロードレース的には"プロトン"と発音したいところですが我慢しましょう、プロトーネです。
しかしながらこのプロトーネはただのプロトーネではありません。タイトルで既にお分かりかと思いますが「中華プロトーネ」です。まぁ早い話がコピー商品というやつですね、オリジナルではございません。
前々から気にはなっていましたがついに興味に負けました。完全無名の中華ヘルメットでも良く出来ているものはありますからね。であればクオリティとしてそう悪いものではないのではないかと。
商品名にも『2020NEW』『upgrade』とか書いてありましたし。ネット上だとコピー商品は「発泡スチロールスカスカ」「ブリッジを押したら折れる」といったことが並んでいますが改善されている可能性が無きにしもあらず。
…というわけで実物が到着したので感想を書いていきます。
予め注意してもらいたいのは『ここで書く内容が中華プロトーネ全てに当てはまるわけではない』ということです。コピー商品にも優劣があるのが中華です、何が届くかは蓋を開けてみないと分かりません。
では感想ですが、まず危惧していた「発泡スチロールスカスカ」については杞憂でした。
確かに一般メーカー品より若干柔らかいですがヘルメットとして機能しないほどに柔いというわけではありません。どうやら『upgrade』は嘘ではないらしいです。
「ブリッジを押したら折れる」については危ないかもしれません。強く押したらバキっと行きそうな感はあります。まぁこの部分についてはオリジナルをノータッチなので不透明ですけれども。
既に外観写真を数枚並べてはいますが、塗装に関しては完璧なのではないかと感じます。むしろ本物よりきれいだったりするんじゃないですかね…。
そもそもとして「イタリア製品」の作りは一般的に言って良いものではありません。アジア人の方が手先はずっと器用ですからね。
メイドインイタリアのカーボンフレームはある意味罰ゲームだったりもします。個人的には全くおすすめしません、カーボンは台湾が良いです。というかもう自転車製品は基本的に全部台湾です。
内部ストラップの作りは流石にコピー商品と分かるクオリティですね。とはいえ、きちんと締まりますので機能はします。
ただ顎のベルトに関しては致命的です。
縫い付けてあるのでサイズ位置調整ができません、これは痛い。ここまで作っておいてなぜ縫い付けるのか。中国人の発想はよく分かりません。
気になる重量は以下のようになりました。
実測重量
なかなかの重さです。
ちなみにサイズはL表記、まぁアテになるのかどうかは分かりませんが。
…で、ここからが一番書きたいことなのですが、中華プロトーネはおそらく本家より格段に「アジアンフィット」になっているのではないかと推測します。比較対象が手元に無いのがあまりにも惜しい。
このブログを書いている人間は純然たる日本人なのですが、頭のかたちだけは「欧米仕様」だったりします。そんなわけでOGK等のジャパンメーカーヘルメットは使えません。奥行に合わせると横幅がゆるゆるになります。
手元に届いた中華プロトーネは正に「アジアンフィット」と言えるべきものです。奥行に対して横幅がかなり広いサイズ感。こうなると『無理してフィットしにくい欧米メーカー品を選ぶよりは適切なのではないか』と思えてしまいます。
『強度足りないんじゃないの?』と思われる方もいるかもしれませんがこれもまた難しいところで。
自転車のヘルメットというものは原則的に破壊されることで衝撃を吸収することを機能としています。理屈としては軽自動車の装甲と同じですね。工事現場用のヘルメット等は上空から重量物が降ってきた場合に備えるものなので絶対的に強度が必要だったりしますが自転車用ヘルメットはそうではありません。
高層マンションだってガチガチには作りません。剛性を上げ過ぎてしまうと柱梁の接合部が大変なことになります。人間の関節だって軟骨があるからこそ機能しています。硬すぎるのも柔らかすぎるのも良くありません。何事もバランスです。
プロユースであれば不安を感じるとは思いますが、MAX30km/hくらいの速度でゆるゆるサイクリングをする場合は不安を覚える必要はないでしょう。
結局はサイズ感が合わなかったのでこのヘルメットは押し入れに放り込むことになりましたが、『機能的には中華プロトーネの方が都合が良かったりする日本人ユーザーは少なくないだろうな』と感じるのは事実です。
普段は購入リンクを書いていますがコレに関しては流石に書けないですね…。まぁいつものようにアリエクで買ったとだけ。お値段は2000円弱程度でした。
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