海外通販で何となくセールされていたリッチーのドロップハンドル「Comp Butano」がおどろくほど使いやすかったのでレビューをしてみます。
定価40ドルくらいの金属ハンドルですが、フレア角度とバックスウィーブが絶妙です。フレア形状ドロップハンドルの「デビュー」としてかなり良いのではないかと思います。
・フレア角度の重要性
これまでのドロップハンドルは「ドロップ」と「リーチ」でおおよそ決めることが可能でしたが、グラベルロード系のハンドルが登場したことで更に「フレア角度」という要素が追加されました。
フレア角度というのは、エンド部分の「広がり」のことを言います。
フレア角度がゼロであれば地面と垂直になりますし、ここに角度が付いていると自転車を前から見て『ハの字』になります。
前から見てハの字…っぽい
そんなわけで、この部分に角度が付いているものは『ハの字ハンドル』とか『フレアバー』とか呼ばれたりします。今現在のトレンドに含めても良いかもしれません。
実のところフレアバーはとても効率的です。
特に恩恵を得られるのがロングライドや荒れた道を走るといった手首に負担のかかるシチュエーションです。フレアバーはノーマルバーと比べて手首を固定せずに済むので疲労が大きく変わります。
見た目としてあまりロードバイクらしくないため敬遠される場合もあると思いますが、楽をしようと思えば導入を検討する価値は十分にあります。
・フレア角度とハンドル幅の関係
…とはいえ、このフレアバーというのはそうそう簡単に選べるものではなかったりもします。
『ハンドルの握り方が変わる』というのは『ハンドルの幅が変わる』という意味でもあります。原則的にはフレア角度が強くなるほどハンドル幅を広げるのがセオリーです。
中にはハンドル幅を変えずに(むしろ狭くして)極端なフレア角度を使う方もいます。
プロでもヤンウィレム・ファンシップという選手がそういうセッティングにしていたりします。当人がインタビューで答えるところによると『こちらの方が空気抵抗を減らせるし、自然な乗り方になる』のだそうです。
ちなみに当のヤンウィレム・ファンシップ選手が使っているハンドルは<こちら>です。
正確に書けば使って「いた」ハンドルですが。今ではこれよりも幅が狭くフレア角度のあるものをオーダーして使っているようですね。
…と、そんな感じでセオリーとしては広げた方がよいものであっても、実際のところ使ってみないと分からない難しいものでもあります。
・12度という絶妙さ
ハの字ハンドルの入門としては「フレア角度12度」くらいが適当なのではないかと思います。
中途半端ではありますが『フレア感』をきちんと感じることができますし、オンロードからグラベルまで対応ができる範囲です。
うまく行けばそのままOK、失敗しても次に活かせるのが12度くらいです…たぶん、おそらく。
しかしながら、フレア12度(前後)のハンドルは選択肢がほとんどありません。メーカーで言えばRitcheyかFSAくらいです。
グラベルに特化したフレアハンドルは20度前後が相場です。中華マーケットでもこれくらいの角度のものは普通に販売されていたりしますが、やはり12度前後のものは見つかりません。
セールの頻度を考えると、おそらくこの「Ritchey Comp Butano」が最も最安で購入可能な12度のフレアバーです。
ハの字ハンドルが気になっている場合はこれからチャレンジしていくのがよろしげかと思われます。
個人的には44cmサイズを選んで一発OKでした、ちなみに普段は40cmを使っています。やや速度を出しにくくなった感はありますがバイクのふらつきと手首の疲労が大きく軽減された感があります。
楽が出来るのが一番ですね。
・公式サイトと購入先の話
購入先は安定のwiggleです。
国内だとリッチーは中々セールをしてくれないんですよねぇ…。
Comp Butanoより剛性を上げて軽量化をはかった「WCS Butano」というモデルも販売されています。
フレア角度やリーチ・ドロップといったジオメトリは両方とも全く共通です。
書き忘れていましたが、このハンドルのリーチは73mm、ドロップは118mmとなっています。
形状としてはアナトミックシャロ―ですね。
ドロップ部分が長めなので下ハンも比較的掴みやすいと言えそうです。
FSAだと…この辺のハンドルが12度になっています。
ディティールを見る限りではButanoの方が良さげに見えますね。バックスィーブが付いていないっぽいですし。
Comp Butanoに関するより詳しい情報はリッチーの公式サイトから確認されてください。「TECH INFO」の部分に詳しい寸法が記載されているPDFファイルが置いてあります。
・Ritchey Comp Butano Handlebar | Gravel Bike Bar
ちなみにですが、上の自転車で使っているホイールとタイヤもリッチーです。意図したわけではありませんが偶然揃ってしまいました。
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リッチーはユニークなパーツを作ってくれるので好きです。
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