ロードバイク、リアスプロケット50Tへの道

題字の通り、ロードバイクのリアスプロケットを50Tまで大きくするカスタムにチャレンジするお話です。


今回はスラムのロードシフター(11S)でシマノのMTBリアディレイラーを引くという実験をやってみした。ちなみにチェーンとスプロケットは中華製のよく分からないものを使っています。

色々と節操の無い組み合わせではありますが、こういうよく分からない知識が役に立つのもまた自転車というものだったりします。


実験で使うパーツについて

今回メインで使うパーツは以下となります。

・シフター → SRAM FORCE(1×11)
・Rディレイラー → RD-M5100-SGS
・スプロケット →  SUNSHINE 11-50T
・チェーン → EVERDAWN

変速数は11S、フロントシングルでの構成です。その他にもちょっとした備品が登場したりしますがこの辺りは最後にまとめて紹介していきます。

スラムでシマノは引けるのか(1)

…というわけでスラムのロードコンポーネントでシマノのMTBコンポーネントが使えるのかやってみましょう。よく分からない中華メーカーよりは可能性があるはず…たぶん、おそらく、きっと。

折角なので取り付けから書いていきます。

まずはホイールにスプロケットを付けましょう。結果だけを知りたい場合は少し戻って目次から(2)にジャンプするとお早いです。

50T vs 36T

50Tは36Tと比べてもここまで大きくなります。

SUGOI DEKAI

700Cのホイールに付けるとこんな感じになります。遠近感がおかしくなりそうです。ミニベロのホイールに見えてきます。

ちなみに使っているホイールはこちらです。

<詳細記事>
Ritchey Classic Zetaであらゆる自転車をグラベル仕様に

スーパーワイドリムな面白いホイールになっています。

スプロケットの装着が終わりましたので次はRDに入ります。


登場するのは当然RD-M5100-SGS。公式サイトによると51Tまで対応しているとかいないとかです。


既存のSRAM FORCEを取り外して…


RD-M5100-SGSを付けました。

このディレイラーには根本の部分にプレートのようなものがあります。


ハンガーのツメに対して重ねるようにして固定するようです(※こうしないとBテンションボルトが接触してくれない)。

ケーブルラインはこんな感じになります。



根本の部分がなにやら頼りない感じがしますがディティールを見る限りではこのラインしかありません。

<追記>
後から調べると上位ラインのM9100にはカバーがついているそうです。

何はともあれ取り付け終了です。


おぉ…これはゴツいですね。

RDがついてワイヤーも(とりあえず)張れたので次はチェーンの出番となります。


特に意味もなく買っておいた中華チェーンです。今回はシルバーを使います。

ここである意味最大の難関である「チェーン長さの決定」にぶつかります。こればかりは勝手にやれない部分ですのでしぶしぶとシマノのサイトに目を通します。

・RD-M5100-SGS(販売店マニュアル1)
https://si.shimano.com/pdfs/dm/DM-MARD001-03-JPN.pdf

公式マニュアルによると、ハードテイルバイクの場合は「最大チェーン長さ+4~5リンク(+クイックリンク)」にしなければいけないそうです。

うーん…チェーンリングの歯数が決まっている場合はチェーンを切れるのでしょうが、今回はリアを36Tから50Tにするという大改造です。ここまで大きくするのであればフロントも変わってくる可能性が高まります。

スプロケットの歯数からギア比を計算すると以下のようになります。

11-50T 34 36 38 40
11 3.09 3.27 3.45 3.64
13 2.62 2.77 2.92 3.08
15 2.27 2.40 2.53 2.67
17 2.00 2.12 2.24 2.35
19 1.79 1.89 2.00 2.11
21 1.62 1.71 1.81 1.90
24 1.42 1.50 1.58 1.67
28 1.21 1.29 1.36 1.43
32 1.06 1.13 1.19 1.25
38 0.89 0.95 1.00 1.05
44 0.77 0.82 0.86 0.91
50 0.68 0.72 0.76 0.80

今現在の歯数は36Tです。これより下げることは無いにしても38Tくらいまで大きくした方が良い気が…とはいえ、ギア比をとことんまで下げるための50T化なのでそれはそれで本末転倒というか。

考えても先に進めそうにないのでとりあえずそのままの長さで試してみることにしましょう。

上手くいったらラッキーですし、問題が起きるようならそれはそれで改善できる要素があるという発見です。どちらに転んでも悪い結果ではありません。

さて、チェーンも付いたのでもう大きくやることはありません。いよいよ引けるかどうかの確認となります。

スラムでシマノは引けるのか(2)

RDをざっくりと調整してシフターを引いてみた結果としては…


50Tまで持っていくことが出来ました。なんとかなるものですね。

…が、ここからちょっと問題が発生です。変速性能を詰めるためにシフターをがちゃがちゃとやっていたらチェーンがあっさりと落ちてしまいました。

こうなると原因はチェーン長さしかありません。一度外してから現状がどれくらいの長さになっているのか確認してみると…。

上手く写真が撮れない

シマノのアナウンスより+3リンクくらい長い状態でした。

こうなるとチェーンを切らないといけないわけですが…何だか疲れてしまったので記事としてはもうこの辺でよいですかね…。

とりあえず「スラムのロードシフターでシマノのMTBリアディレイラーを引くのは不可能ではない」ということが分かったので十分でしょう。変速性能についてはチェーンリングが決まった時にまた改めて追及する感じにするということで、この気温ではとても乗る気にはなれないですし。

気温が下がったらそのうち追記します…たぶん。

ケーブルテンションの調整について(※重要)

ここまで読んで『いやちょっと待って、MTBのRDにはケーブル調整ボルトが付いてないじゃん、テンションどうやって調節するの?』とお気付きの方も少なくないと思います。

ところがどっこい大丈夫です、クロモリフレームには多くの場合でフレームにアジャスタボルトが付いています。

古き良きシリンダー型

この部分でテンションの調節が出来るのでMTBのリアディレイラーであっても何とかならないこともありません。

『いや、クロモリフレームじゃないし』という場合であっても全くの不可能ということでもありません。


今ではケーブルにアジャスタボルトを挟むのが普通ですからね。

…とはいえ、ケーブル取り付け型のアジャスタボルトは走行中に緩みが生じやすいものでもあります。

今回は『フレームのアジャスタボルトとケーブルのアジャスタボルトを併用すること』を前提にしていたのでお軽い気持ちで挑戦できましたが、ケーブルのアジャスタボルトのみでテンションを稼ぐというのは矢張りおすすめできません。

こういった場合は素直に大型のケージが採用されているロード用RDを選んだ方が正解です。こちらの方が調整も楽ですからね。

ネット上の情報なので未確認ではありますが、スラムの42Tまで対応しているロングケージは50Tまで使える…みたいなことがチラホラと書かれています。この噂を半分信じたとすれば46Tくらいまではいけるのではないかと思ったり思わなかったりです。

実際のところ46Tでも相当の大きさがあります。

50T(左)、46T(中)、36T(右)

無理に拘っても良いことはありません。

パーツの詳細についての話

今回使用したパーツは全てアリエクスプレスで購入しています。

シマノ製品は国内から購入したかったところなのですが、某新型感染症の影響なのかお店に聞いても『在庫が無い』『入荷は9月以降になる(と思う)』という返答ばかりだったので『ならもう中華の方が速いだろう』となりました。

購入先のセラーを羅列すると以下になります。

・RD-M5100-SGS
https://a.aliexpress.com/_dXrsrw8

・SUNSHINE 11-50T
https://a.aliexpress.com/_d6AOqHe

・EVERDAWN
https://a.aliexpress.com/_dYwDERS

・アジャスタボルト
https://a.aliexpress.com/_d7dYIR6

スプロケットの金額がやや重い…。とはいえ、ここを妥協してしまうと重量があまりにも大きくなりすぎてしまうのでどうしようもありません。

ついでに書きますとSRAM FORCEのシフター・リアディレイラーもアリエクスプレスからの購入です。

・SRAM FORCE 1×11 MECHANICAL SHIFTERS
https://ja.aliexpress.com/item/33043115471.html?spm=a2g0s.9042311.0.0.27424c4dYS4hya

・SRAM FORCE 1 Rear Derailleur
https://a.aliexpress.com/_dV95RES

FORCEのシフターはアリエク全体でも在庫がなくなっているっぽいですね。ライバルならまだ残っているような感じですが、これもそのうち無くなってしまいそうな感じがします。

アリエクスプレスはキャッシュバックサイトと連携することが可能になっており、未登録の場合は初回使用で10ドルの現金をリターンすることができます。これついては以下のリンクに詳しい内容を書いているので参考にされてください。
https://hitoriroadbike.blogspot.com/kaigai-tuuhan.html

今にして思えばFORCEのリアディレイラーでも42Tくらいまではいけたような…。
 

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