バイクパッキングの知名度向上による影響だと思いますが、ストラップ固定ではなくボルト固定式(ボルトオン式)のトップチューブバッグをチラホラと見かけるようになりました。
ボルト固定式のトップチューブバッグは今までの問題点であった「固定度の低さ」と「見た目の悪さ」を大幅に改善してくれる重要なアイテムと言えます。
しかしながら、まだ商品数が少なく『使いたいものが中々見つからない』のが現状です。時間が解決する問題かもしれませんが、100%望むものが販売されるとも限りません。

…というわけで既存のトップチューブバッグをカスタムしてボルトオン仕様に変更する話をします。
若干の手間はかかりますが、販売されているボルトオン式よりもメリットが大きいため検討する余地はあります。
<必要になるもの>
というわけで内容に入っていきましょう。早速ですが、必要になる道具・材料は以下となります。
・カーボンプレート
・接着剤
・ノンスリップマット
・紙ヤスリ・カッター・金属製の定規
・ノコギリ・クランプ×2個
・電動ドリル、ドリルピット・適当なサイズの木材
ざっくりといえば『トップチューブバッグの内部底面にプレートを張り付ける』というだけなのですが、きれいにやろうとする場合はある程度の事前準備が求められます。
では、上であげた道具についてそれぞれ説明をしていきます。
・カーボンプレートについて
ボルト締めの場合はプレートとの接点で固定することになるので柔らかい板を使うと機能しなくなります。絶対的に硬い素材を選ばないといけません。
そうなると素材として最も妥当なのがカーボンです。硬さがあり軽量で素人でも切断が可能という正にうってつけの素材と言えます。
プラスチックだとボルト締めにおいて割れる可能性が高くなります。金属の場合は重量が増えすぎてしまいますし、施工の難易度も上がります。やはり選ぶべき選択肢の筆頭はカーボンです。
カーボンプレートの厚みに関しては以下を参考にされてください。
・1mm → 軽量だが柔い、使えないことはないが衝撃でたわむ・1.5mm → それなりに軽くそれなりに硬い、バランス型
・2mm → 硬く重い、舗装路であればまずたわまない・2.5mm → 非常に硬く重い、未舗装路であってもほとんどたわまない
個人的には1.5mmが最も程よいのではと感じます。
カーボンプレートは意外にどこでも買えたりします。普通にamazonで販売されていますし、安価に買うのであれは中華通販大手のアリエクスプレスという選択肢もあります。
価格的には3割~4割くらいアリエクの方がお安いですね。
アリエク通販を利用する場合は<この記事の一番下の部分>にメリット情報を記載しているので参考にされてください。
・接着剤について
接着材については『ノンスリップマットとカーボン板を張り付けるもの』と『カーボン板とバッグを貼り付けるもの』の2種類があるのが理想です。
まずカーボン板とバッグを貼り付ける接着剤についてですが、これは素材との相性がありますので「なんでもOK 」とはいきません。
カーボン板とバッグの接着材についてはケースバイケースです。布地に近いものであればこの場合も一般的な木工用ボンドでもそれなりにくっつきますが、ハードケースに近いものだと大抵の場合で接着が上手くいきません。
個人的に使っているのは<こちらの接着剤>です。パッケージに『プラスチックもいけます』と書いてあるものであればほとんどの場合で対応できると思います。
硬化時間については可能な限り遅い方が望ましいです。速く固まり過ぎると張り付けた後の修正が出来ない可能性が高くなります。
ノンスリップマットとカーボン板の接着についてはごく一般的な木工用ボンドで十分です。硬化に時間はかかりますが、その分貼り付け時のミスが起こりません。
・ノンスリップマットについて
ノンスリップマットはカーボン板の上面に接着します。
必須…というわけではありませんが、衝撃吸収と防音の役割を果たしてくれますので強く張ることをおすすめします(※本気で衝撃吸収を測る場合はヨガマット等もアリです)。
ノンスリップマットはダイソーで販売されているのでわざわざ通販する必要もありませんが、大面積で購入したい場合はamaonがお買い得だったりします。
ホームセンターでも販売はされていますが、大抵の場合でamazonと比べると結構な値段がします。
・紙ヤスリについて
紙ヤスリはカーボン板を切断した後に発生するバリを削るために使います。この作業をサボるとバッグ内部が汚れていきますので地味に重要です。
これについてもダイソーやホームセンターで購入可能なのですが、実のところamazonで販売されている商品の方がお買い得で使い勝手に優れていたりします。
粒目の細かさについては神経質になる必要はありません。#120くらいでも十分です。
・カッターについて
カッターの役割は「カーボンプレートに切れ目を入れていくこと」です。
カーボン板をノコギリで切断するのはかなりの労力になりますので、予め切れ目を入れておくことが重要になります。
そのようなわけで使うカッターは頑丈なものでなければいけません。本体もそうですが刃も重要です。貧弱な刃だとあっさり折れます。
個人的には<こちらのカッター>を使っています。特別に優れているというわけではないのですが、簡単に替刃の入手ができる定番の一本です。
・金属製の定規について
言うまでもなくカッターで直線を引くために使います。強いチカラでガリガリやることになる可能性があるので定規は金属製がGOODです。
…とはいえ大工さんが使うような専門工具である必要がありません。このような一般的なステンレス定規で十分です。
長さは30cmくらいが程よい感じですね。定規は重量があると安定しますので厚みがある方がベターです。
・ノコギリについて
ノコギリについては実のところそこまで重要ではありません。
カッターできちんと切れ目を入れておけば大抵のもので切断可能です。100均で販売されているものでも切ろうと思えば切れます。ただ、木工用のノコギリは歯が柔らかすぎるのでNGです。最低限金属用を選ばれるようにしてください。
個人的にはダイソーの200円ノコに<こちらの金属刃>を取り付けて使い続けています。コスパ的にはこれがベストですかね…。
ちなみにですが、カッターだけでカーボン板を切断するのは相当の労力が必要です。不可能ということはないのですが、こんなことをするくらいならダイソーノコを買った方が良いです。
・クランプについて
クランプというのは「物同士を押し付けて仮固定させるための道具」です。この場合においてはトップチューブバッグとカーボン板を接着させるために必要になります。
無くてもどうにか出来る部分ですが、これがあるだけで作業が大幅に楽になることも事実です。接着剤が乾燥するまで押さえつけておくのは地味にキツイ作業です。
そこまで高額な道具でもありませんので、予算に余裕があるのであれば購入を強くおすすめします。
amazonで販売されているものであれば<こちらの大きい方>が程よいのではないでしょうか。個人的にも使っていますし、1個当たりの単価も安いので負担にはならないと思います。
・電動ドリル、及びドリルピットについて
これはちょっと難しいですね…。
『カーボン板に穴を開けることができればよい』ので高出力のドリルである必要は無いと思うのですが、弱いドリルを持っていないので試すことが出来ません。
これだけのためにわざわざインパクトドライバーを購入するというは流石にやりすぎ感が強いですので、電動ドリルについてはホームセンターのレンタルサービスを利用するのが賢い手段なのではないかと思います。
フレームに穴を開けたりする場合はインパクトドライバー買っても良いですね。
<関連記事>クロモリロードバイクにボトルケージ用のダボ穴を増設する方法
ドリルピットについては下穴とは別に本穴用として5.5mmと6mmが欲しいです。これについてもレンタルできるかどうか確認しましょう。
・適当なサイズの木材について
これはカーボン板を接着する場合の養生として使います。
イメージとしてはサンドイッチのような感じでしょうか。クランプで直接押さえつけるのではなく、こういうものを挟んだ方がより圧着させることができます。
この木材についてはサイズさえ合えば何でも構いません。見つからない場合はホームセンターで安い材を購入しましょう。トップチューブバッグのサイズであれば200円~300円くらいあれば何とかなるはずです。
<あると面白いアクセサリー(1)>
トップチューブのボルトオン化はトピークのマウントパーツとの組み合わせを前提にしておくと非常に便利になります。
<関連記事>TOPEAK QR Cage Mountは最高のマウントパーツになる
詳しい内容は上の記事に記載していますが、このアクセサリーを使えば簡単に言えばワンタッチで取り外しが出来ます。


バッグごと持ち運ぶことができるので、コンビニに寄るといった一時的な休憩等で非常に便利になります。
このマウントパーツを使う場合はボルト穴の位置がオフセットされることに注意してください。これについても上の記事に記載しています。
<あると面白いアクセサリー(2)>
正確にはアクセサリー…というわけではありませんが、トップチューブバッグをボルト固定にする場合は<このようなボルト>があると良いです。
一般的なボルトと違って頭が飛び出さないので内部空間がすっきりします。
スマホなんかと入れているとボルトの頭が画面に傷を入れる可能性もあります。微妙にお値段がするので抵抗がある場合も多いと思いますが、可能な限りこういった仕様のものがGOODです。
<作業手順について>
…と、長々と前置きをしたところで作業に入ります。
個人的には以下の流れでやっていますが、最終的に穴の開いたカーボン板が接着されていればなんでもいいので好きにやっちゃってOKです。
①カーボンをカットする
まずはカーボンのカットです。カーボン板にカッターで切れ込みをいれてからノコギリでカットしていきます。
200円ノコギリ by ダイソー
カッターで切り込みを入れれば入れるほどカットは楽になります。かなり強いチカラでガリガリやることになりますのでカッターマット的なものを下に敷いておかないと大変なことになります。
また、この時に作成したカーボン板と同等サイズの木材をいくつか用意しておくと作業がスムーズです。
②カーボン板に紙ヤスリをかける
板の切断が終わったら紙ヤスリをかけて断面を整えましょう。そのままだとカーボンのカスがバッグ内部に残ってしまうので気持ちが悪いです。
紙ヤスリでの作業が終わったら水で洗って乾燥させておいてください。
③カーボン板にノンスリップマットを貼る
カーボン板には可能な限りノンスリップマットを貼っておきたいところです。
カーボン板とノンスリップマットの接着については木工用ボンドで可能です。完全固定はできませんが、意図的に剥がそうとしない限りはくっつきます。
ちなみにですが、一般的な木工用ボンドで接着する場合は乾燥までに半日程度の時間が必要です。
④バッグの底面にカーボン板を貼る
いよいよカーボン板の張り付け作業です。バッグの底面に接着剤を塗ってからカーボン板を載せて接着します。
カーボン板の方に接着剤を付けて貼る場合はマスキングテープ等でジッパー部分を養生しておいた方が良いです。ジッパーに接着剤が付着すると後々面倒なことになります。
カーボン板をバッグの中に入れたらクランプを使って固定します。このとき木材をはさみ込んでおくとより安定した圧着が可能です。

クランプについては最初から解放状態(※締めるだけの状態)にしてにしておいた方が良いです。広げるのにも結構な手間がかかりますので、接着材の硬化時間によっては間に合わない可能性があります。
⑤バッグに穴を空ける
カーボン板の接着が終わったら取り付け用の穴を開けましょう。トップチューブバッグの中に木片を押し込んで当て木を作った状態で穴を開けていきます。
やはりこの場合もクランプを使って固定するとより楽にな作業が可能です…といいますか、クランプを使って固定しないとバッグとの接着が剥がれる場合がありますのである意味では必須です。
この時注意するのが穴の大きさです。
一般的にダボ穴の感覚は穴の中心点から64mmとなっていますが、厳密に守られているわけではありません。65mmになっている場合もありますし63mmになっている場合もあります。
カーボンプレートへの穴開け作業も正確に位置を出せるわけではないため、若干の余裕を持たせて穴を開けないと大抵の場合で取り付けが出来ません。
個人的には5.5mmのドリルピットを使って最低でも±1mm程度の余裕を持たせています。実際には5.5mmでも合わない場合が多いので片側だけ6mmの穴を開けたりすることが多いです。
また、穴を開ける場合はかならず小さいドリルピットを使って事前に「下穴」をあけるようにしてください。いきなり5.5mmや6mmサイズで穴を開けようとすると中心点からズレる可能性が高くなります。
下穴のサイズについては2mmくらいが程よいです。
<カジュアルサイクリング派にとって非常に良いです>
トップチューブバッグのボルトオン化はツーリング派にとって非常に便利なのでオススメです。
セオリー通りトップチューブに取りつけても良いわけですが、あえてダウンチューブに取りつけて『フレームバッグ化』するという選択肢もあります。
大型のトップチューブバッグはダウンチューブに取り付けることで『程よい大きさでありながら邪魔にならない』という高バランスなストレージを作れます。
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