長らくフィジークを愛用されてきた多くの方にとってあのリニューアルは困惑の方が大きかったのではないかと思います。
ネーミングの傾向がガラリと変わってターキーやボンドなんとかといったこれまで無かった単語が入り混じるようになり、『その名前が何を示しているのか』ということが直感で分からなくなってしまいました。
そんなネーミングの部分は「改悪」だと思っている新・フィジークバーテープですが、肝心の製品については別のようです。遂に…というか何というか、かのリザードスキンを超えるものが出てしまいました。
最も高価格帯に位置する「Terra(テラ)」です。いやまぁ『リザードスキンを超える』は個人的な主観に過ぎませんのであまり当てにされても困りますけどね…。
そんなわけでレビュー及びインプレッションです。
・滑りません
Terraはグリップ感が極めて強力なバーテープです。軽く手を置いただけでも固定されてしまうほどのグリップパワー、この部分に関してはリザードスキンを超えています。
FIZIK TERRA(左)、LIZARD SKINS DSP(右)
とはいえ、リザードスキンに関してはリニューアル前のバージョンしか知らないので現行品であるV2と比べてどうなっているのかということについては分かりません。
<外部リンク>
リザードスキンズ DSP BAR TAPE V2 表皮の耐久性が向上したロード用バーテープ(シクロワイアード)
https://www.cyclowired.jp/news/node/317340
リザードスキンはV2になってユニークなカラーや柄が消えてしまったんですよね…。やはり採算が悪かったということなんでしょうか。仕方がないのでしょうが残念です。
話を戻してTerraのグリップはすごいです。握った感触としてはリザードスキンの方が好みですが、ここまで手のひらが動かないのであれば「ハンドルを握る」という行為がいらなくなります。
上半身をほぼ「脱力」しておけるので肩周りが非常に楽です。肩こりが軽くなるのではないかと思ったりします。
・ディティールはこんな感じ
せっかくなので中身についても紹介してみます。内容物は以下ですね。ちなみに箱の裏側にはこんなメッセージ。
「グラベルロード用にデザインされたバーテープ」とあります。
肝心のバーテープ部分を拡大すると以下のようになります。
一見してカビのようにしか見えませんが、触った感じだと繊維の集合体(?)のような部分です。これがボンドカッシュなのでしょうか、謎です。
・悪いところもあるよ
値段が高いところもアレですが(定価3600円)、最もネガティブ要素が強いと思われるのが「マジで巻きにくい」という点です。とにかく伸びないテープであるので最初の一発目が中々決まってくれません。バーテープは巻き始めが最も重要ですからね。ここを強く引っ張らないと収まりがきれいになってくれません。
まぁ「伸びない=巻きにくい=巻き直しがやりやすい」ということでもあるので時間をかければそのうち解決する問題だとも言える部分です。バーテープを巻く練習になると思えばメリットかもしれません。
実際、このバーテープは最初から「巻き直し」が考慮されており(※洗車の前に剥がして再利用することが想定されている)、普段なら両面テープで固定するところがジェルになっています。
考え方によっては悪い部分ではないですね。
・総評 ☆☆★
高機能であることは間違いありませんが、ピーキーでもあるので人を選ぶバーテープであるとも感じます。グリップ性についても個人的には絶賛なのですが、それはノーグローブ派だからであるとも言える部分です(※冬は寒いので付けますけれども)。万人に対してそこまで推せるものだろうか…と考えるとやや考える部分があります。
ベストシチュエーションとしては『未舗装路が好きでグローブを付けるのが嫌いです』という場合でしょう。このような用途であればパーフェクトフィットです。カラーリングも珍しいものが揃っていますので個性を出すのにも便利でしょう。
最後のハードルはやはり価格ですね。3000円なら☆☆☆を付けれますが、4000円近いとなるとこれくらいが妥当になるような気がします。