<2021年度版>これからロードバイクを始める場合に知っておくべき10個の事実

何やかんやで2020年も終了目前です。

今年はどこぞの感染症のせいで世界中がめんどうなことになってしまったよく分からない年でした。黒死病や脚気が発生したときもこのような感じだったのでしょうか。

こんなところから「自転車需要」が発生するとはほとんどの方が想像もしなかったのではないかと思います。

KONAが2019年の機材説明のジョークで『もし貴方の周りでゾンビ・パンデミックが起きたらどうしましょう?このバイクならどんな地形にでも対応しているので逃げれますよ』といったものを書いていましたが、これはニアミスではないでしょうかね…。


まぁそれはさて置き、改めて自転車ブーム的なものが発生している今だからこそ書いておきたい「ロードバイクを始める前に知っておきたいこと」を書いてみます。


(1) 最高の機材は「若さ」

物理的な機材に目が行きがちなロードバイク業界ですが、最も重要となる機材はフレームでもホイールでもなく「乗る人間の若さ」です(※MTBの場合は物理的な機材が重要になります)。

エントリークラスの完成車に乗ったごく一般的な高校生男子と、ハイエンドクラスの完成車に乗ったごく一般的な中年男性を比べると高校生の方が確実に速く長い距離を走ることができるのが現実です。

来年の機材は今年の機材より「劣化」します。どうせはじめるなら早い方が正解です。

(2) 専用ウェアには理由がある

ロードバイクウェアと言えばあのピッタリしたレーシングスーツが象徴的ですね。

アレに抵抗が無い方の方が少数でしょう。個人的にもロードバイクに乗り始めて10年くらい経つはずなのですが、未だに抵抗感は拭えません。

…とはいえ、意味があるからこその専用ウェアです。一般的なカジュアルウェアとレーシングスーツを比べると効率で大幅な差が発生します。

レーシングスーツを着るor着ないはそれぞれの自由ですが、理由があってあの形になっているのだと知っておいて損はありません。

(3) 機材のグレードを上げても速くはならない

未だに誤解をしている方が多そうな感じですが、駆動系コンポーネントは「変速効率」と「ブレーキ効率」に関係する部分ですのでここを変えたところで速度が上がるわけではありません。

速度を決めるのは乗る人間の力量です。力量とは筋力と体力です。これはおカネでは買えません。

故に「最低でも105」は迷信のようなものです。そもそも昔のレーサーは今よりも重いバイクを6速や7速で走っていたわけですからね。

機材のグレードよりも身体のコンディションを気にしましょう。機材にかけた金額よりも、自分の身体で出力できるパワーの方が重要です。
 
チェーンにちまちまとオイルを差すよりも筋肉にプロテインを補給したほうが良いですし、自分の力量を正しく知りたい場合はパワーメーターを購入してワット数を計測する必要があります。

(4) 中古は完全悪ではない

自転車界というものは新商品がホイホイと発売されます。「最高傑作!」という札を付けた最新のフレームであっても2年後3年後にはそれがあっさりと塗り替えられるのが恒例です。

そしてホビーライダーというものはそうそう走る機会に恵まれているものでもありません。おカネがあっても時間が取れない場合が往々です。月に4回・5回も乗れれば多い方じゃないですかね…。

そのようなわけで『ほとんど使っていないロードバイク』というものが中古市場に高い確率で流れます。

ネット上には大抵の場合で『中古はやめておけ』と書いてありますし、それは全くその通りです。購入時に操作方法やポジジョン調整、はたまた自転車関連のコミュニティに入ることができるようになるのは実にありがたい話といえます。

とはいえ、中古市場に状態の良い安価な完成車が多数流れているものまた事実です。

個人的には『中古でも十分でしょうよ』と思います。そもそもフレームにしてもホイールにしてもいつまでも使えるものではありません。ダメだったらまた売って資金に変えれば良いだけですし、『これはダメだな』と感じることが出来るのも貴重な経験です。

お店のコミュニティに関しても良い面と悪い面があります。

ショップによっては、一度コミュニティに入ると『その店で買ったパーツしか使うのは許されない』というある意味でカルトのような感じになっている所があるのも事実です。

強制的に購入させられることは流石にありませんが、結果的に居心地が悪くなるようでは趣味として本末転倒というものでしょう。某感染症の影響も無視することはできませんからね…。

ポジションに関しても誰かのレクチャーを受けたところで最終的に『良い悪い』を判断するのは自分です。誰かのアドバイスは大事ですが、それに振り回されるようなことになるとやはり楽しくはなりません。

ただまぁ、エントリーラインの完成車であればショップ購入が良いですね。この場合であれば中古で買ってもお店で買ってもそこまで価格差がありませんので、全体で考えればメリットが上回るはずです。

(5) 原則的にディスクブレーキ

これからのロードバイクはほぼディスクブレーキの一択です。業界がゴリ押しをしているのでどうあってもこの流れは変わりません。特別な理由が無い限り今更リムブレーキを選ぶ必要はないでしょう。

業界がゴリ押す理由については『ディスクブレーキはリムブレーキより製造コストが安いのでパーツメーカーが助かる』という事情があります。リムブレーキは作るのには金型がより必要になるので実は面倒なパーツです。

コストが安いにもかかわらず「新商品」であるので高く売っても文句を付けられません。ショップに対するメンテナンス需要も高くなりますので、ディスクブレーキは業界に関わる人間全てに恩恵が発生していると言えるでしょう。

理由としてはまだ他にもありますが、とにもかくにもディスクブレーキの台頭は止まりません。
 
リムブレーキが消えることは無いはずですが、生産数が下がっていくことは確実に言えます。『どちらを選んでよいか分からない』という場合はディスクブレーキを選びましょう。

…とはいえ、ディスクブレ―キはジャンルによってはまだ微妙に規格が定まっていなかったりもします。

グラベル系のロードバイクは近い将来MTBで採用されているBOOST規格に移行する可能性がかなり高いですので、これに関しては注意をしておいた方が良いかもしれません。

個人的な話をしますと、TOP STONE CARBONを狙っているのですがあと一歩踏み切れません。

一般的なロードバイクに関しても将来的にはフロントが110mmになるとは思うのですが、これに関してはまだ先の話になる…はずです、おそらく。

種類に関しては可能な限り油圧式を選んでください。そもそもとして、ディスクブレーキは油圧を前提にして作られています。ワイヤー引きだとケーブルラインの関係で性能が完全に発揮されません。

(6) ドロップハンドルのメリットはあまり無いけれど

ロードバイクといえばあの曲がりくねったドロップハンドルがアイコンですが、実用面ではドロップハンドルのメリットは少数です。

ドロップハンドルの恩恵は基本的には『長時間走っても疲れにくい』という一点です。「使いやすさ」という面で考えればクロスバイク・MTBで採用されているフラットバーハンドルが格段に楽です。

とはいえ、普段PCを使用したデスクワークをされている場合はドロップハンドルの方がよかったりもします。

ドロップハンドルは肩回りの負荷が小さいのでフラットバーよりは肩こりにならないですし、何よりも手首で負荷を支えることが無いため腱鞘炎になるリスクを大きく下げることができます。

そういった意味ではドロップハンドルの効果は偉大です。『なんか見た目がカッコ良い』だけではないことは知っておきたいところです。

(7) 巡行30km/hは「基本無理」

ネットの上をちまちまと見ていると『巡行速度30km/h』という言葉が頻繁に見かけられますが、残念ながらこれは大嘘です。

ごく一般的な平均男性が巡行速度30km/hに至るためには本気のトレーニングをほぼ毎日・数か月スパンでこなさないといけません。そんなことができる人間は圧倒的に少数ですので、巡行速度30km/hは嘘ということになります。

そもそも巡行速度の定義もはっきりしているわけではありませんからね…。

ストップ&ゴーが多い日本の公道事情を考えれば、1時間走って25kmも進めれば普通のサイクリストとしては十分すぎる力量です。

(8) 保険に入らないと後悔が待っているかも

保険には入りましょう。安いものなら年間5000円程度です。車両保険に入ってる場合は特約で対応できることが多いので確認しておくと良いですね。

ついでに書いておきますとJAFには入っておいた方が良いです。

雪のせいで大変なことになりました。

(9) googlemapの評判は概ね正しい

いざロードバイクを買おうと心に決めても、次は「店選び」という壁が立ちふさがります。

これについてはまずグーグルマップのレビューを参考にすることをおすすめします。個人的に知る限りでは「グーグルマップの評価」と「感じの良さ」はほぼ間違いなく比例関係にあります。

目安は☆4以上くらいでしょうか。これくらいだと『初心者大歓迎』的なお店になります。☆3くらいだと『ある程度知ってる人間向け』という場合が多いですね。

自転車趣味をされている方が周囲にいればそのツテを利用するという方法もありますが、お店と相性が悪い場合は連鎖的に人間関係がこじれていく可能性があるのであまりおすすめはできません。

(10) ロードバイクは便利ではない

ロードバイクは基本的に便利な自転車ではありません。

自転車としては究極です。優れた運動効率がありますし、プロダクトとして非常に美しいものであるのでインテリアにも成りえるでしょう。ハマると写真を見るだけでも楽しくなります。

しかしながら利便性という意味ではお世辞でも良いとは言えません。

ドロップハンドルは微細な操作がやりにくいですし、独特な前傾姿勢も身体への負担となります。何よりも細いタイヤは走れる道を選びます。日本のように自動車交通量が多く自転車専用道の整備がほとんど無い国でこれは結構なハードルです。

そのようなわけで、ロードバイク趣味というものは続く方がよほど少数です。「飽きて普通」のものですので、もしそうなったからといって自分を責める必要はありません。

むしろ飽きた場合を想定しておく方が効率的でしょう。

お店から貰う防犯登録証等は当然のものとして、可能であればメーカーからの搬入されるときの「箱」も貰っておくと良いです。ヤフオク・メルカリでより高値で売却が見込めます。

ちなみにですが、個人的に考える最も使い勝手の良い自転車は「2インチくらいのタイヤが装着できる油圧ディスクブレーキのクロスバイク」です。これくらいの太さがあれば大抵の路肩を走れるようになりますし、多少のデコボコ道くらいなら問題無く走行できます。

おまけ 良いロードバイクの条件について

別記事に良いロードバイクの条件について説明しているものがありますのでよろしければ参考にされてください。

<関連記事>
良いロードバイクの条件を極めて簡単に説明する話

実のところ良し悪しを判断するのは難しくなかったりします。
 

・新しく投稿した記事

0 件のコメント :

コメントを投稿